挨拶

ご同輩の、ご訪問、大歓迎いたします。
「なにごとのおわしますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる」(西行)
徒然なるままに観想を記しています。

2014年7月15日火曜日

閣議決定じゃないでしょう!!

集団的自衛権行使容認の閣議決定が7月14日になされた。
三島憲一・大阪大名誉教授が毎日新聞で「集団的自衛権行使容認の閣議決定 ワイマール空文化、ナチスと同じ手口」と述べている。 
「日露戦争まで祖国防衛戦争を戦った日本が十五年戦争へと進んだ』歴史を踏まえ、「集団的自衛権」について、同じ轍を踏まぬことを祈りながら、その動向を注視している。
平和ボケで、視野狭窄に陥った我々は、原発を容認し、〈ヒロシマ〉で懲りず〈フクシマ〉で原発の災禍を再び経験することになった。
思い込んだら命がけ、初志貫徹の特攻精神しかないのかと疑いたくなる。
原発再稼働を早くも決め、戦前の電力財閥の亡霊の再生を想わせるエネルギー事業再生構想は、杞憂が現実になっているようだ。

集団的自衛権行使容認の閣議決定 ワイマール空文化、ナチスと同じ手口

  • 「ヒトラー内閣は1933年3月に全権委任法を成立させ、ワイマール憲法を骨抜きにしたが、憲法自体は廃止されなかった。ナチスは憲法を空文化することで独裁体制を築いたのです」
  • ナチスは社会の混乱に乗じ、巧みに憲法を崩していったのです」
  • 「憲法の空文化という点ではナチスの手口と同じです。あからさまな暴力を使わないところは違いますが。ただ、国民操縦の手段はもっと巧みになっています」。
  • 「ドイツの憲法にあたる基本法は第1条が決定的です。『人間の尊厳は不可侵である。これを尊重し守ることはすべての国家権力の義務である』。この格調高い第1条から第19条までに表現の自由や男女平等などの基本権を定め連邦、議会制度などが続く。国家があるから憲法があるのではなく、市民の合意で憲法が作られることで国家が成立するとの思想です」。
  • 「ワイマール憲法にも人権条項はありましたが、司法当局などは宣言、努力目標と受け止めていました。どんな美しい条文も、それを支える政治文化や世論が機能しなければ空文化してしまう。だからナチス独裁も起きた。この反省から人間の尊厳を1条に掲げ、条文解釈を基本権が縛る仕組みにした。さらに独立性の高い憲法裁判所を設けて、その保障を担保した。外国人でさえ行政当局に不当な扱いをされ、他の手段が尽きた時には憲法裁判所に訴えることができる。実際に多くの違憲判決が出されています」
  • 「日本では『権力を縛るもの』との憲法理解が一般的です。憲法第1条は天皇条項。構成の違いも思想の違いを反映しているのです。いわば建国文書であり、憲法裁判所に守られたドイツ基本法に比べると、日本国憲法は国民の生活に根ざしたものになりにくい」
  • ドイツ基本法は約60回改正されている。
  • 「国民は個々の条項に不満があっても、公共の議論を吸収してきた基本法を信頼している。国内の徹底した議論の成果でしょう」

◇公論で憲法を取り戻せ

  • 翻って日本はどうか。「日本では改正による再軍備は国民に抵抗感が強かったため、政権側は憲法改正を避け、解釈で自衛隊を拡充してきた。結果、現実と憲法の緊張関係は限界まで緩み、憲法9条の下に自衛隊が存在する虚構ができあがった」
  • 「憲法の理念である国民主権とは、公論を通じて実現します。声を上げ、日常生活で憲法を生かし、憲法に内実を与え続けることでしか空文化は防げない。空文化を謀る勢力に論争を挑んで憲法を国民の手に取り戻さないといけません

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