挨拶

ご同輩の、ご訪問、大歓迎いたします。
「なにごとのおわしますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる」(西行)
徒然なるままに観想を記しています。

個人主義について

夏目漱石は、多くの講演を行っている。明治四十四年に朝日新聞社主催関西講演会が行われた。

《夏目漱石は、明治四十四年には、数え年四十五歳であった。前年春、胃潰瘍を患い、小康を得たので、夏、修善寺温泉に転地療養に出かけた。その療養先で大吐血をして、死生の境をさまよい、会得するところがあった。秋、長与胃腸病院に四カ月以上入院し、療養につとめた。そして、この年の晩春、信州・越後路に講演に出かけ、かねてから交渉のあった大阪朝日新聞社主催の関西講演会に備えた。関西講演会は、真夏で、明石、和歌山、堺、大阪の四市で催された。『道楽と職業』、『現代日本の開化』、『中身と形式』、『文芸と道徳』の四編は、それぞれの土地で行われた講演筆記を改稿した評論である。》              (『私の個人主義』夏目漱石著の解説より)

上述の四編と『私の個人主義』の五つが纏められ、『私の個人主義』として、講談社学術文庫から一九七八年に刊行された。瀬沼茂樹氏はその解説で、次のようにいう。
漱石の問題はまた内面の生活の追求に有り、究極まで論理をつくして追い詰め、これを超えようと努め、時代に先んずるところがあった。生死の問題に真剣に取り組み、東洋風に道を求める舞台として小説世界を構築し、感想や漢詩に真意を漏らした。評論では宗教・道徳の問題を含めて、社会、国家から、多く文明文化に渉り、現代人の苦悩を明らかにした。有名な『現代日本の開化』においては、日本の近代化が内面的ではなくて、外発的なことを指摘したにとどまらない。今なお多く封建的遺制を残し、外発的たらざるを得ない現代日本の苦悩を先見の明をもって語っている。

未だに、外発的近代化を続ける日本は、内発的近代化を敢えて避けているようにも見える。
各編の内容を図解化して、漱石の近代化された〈目〉を会得したい。      スライド

道楽と職業

現代日本の開化


中味と形式


文芸と道徳


私の個人主義











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