挨拶

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「なにごとのおわしますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる」(西行)
徒然なるままに観想を記しています。

2014年4月15日火曜日

科学は技術を正せるか 本末転倒した分子生物学??

(耕論)STAP、逆風の科学界 ロバート・ゲラーさん、大隅典子さん
ロバート・ゲラーさんと大隅典子さんが利権を中心とした日本科学界の現状について警告している。詳細は本文を見てほしいが、要点は次のようである。科学は商業化されてはならない!!
ロバート・フラー氏は
《「小保方さんが悪かった」だけで終わらせてはいけない。》とトカゲのしっぽ切り、対症療法ではなく、《再発防止のために一番重要なのは研究機関のガバナンスの改善です。》と環視することの重要性を説いている。《役所からの天下りをなくし、官僚支配から研究者支配に切り替えること》は政治・経済に左右されないこと、《何よりも研究者が真理を語ることを説いた、ファインマンの精神を忘れてはなりません。》と真理を語ることを説いている。

要するに、問題は「実験プロセスを真理を語るにふさわしいものにすることなく、真理を発表した」拙速、〈成果の促成栽培〉にあるといえるのではないだろうか。
その事を指摘するのが「健全性を損なわせる『商業化』」と題する大隅氏の発言である。
東京からでなく、京都からでなく、東北の地からの発言に個人的な興味を持った。
それは次のようなものである。
《実に半世紀がかり。そうやって、本当のものが定着していきます。1本の論文だけで何かをいうのは、時期尚早なのです。》と一刀両断する。
《論文を書く前に学会などで発表し、議論して、もまれる、というプロセスが一般的でしたが、「掲載まで伏せる」というのがネイチャーの厳格な方針です。とにかくまずネイチャーに、と考える研究者も少なくありません。》ネイチャーの姿勢も批判する。
《報道も、時間をかけて検証するという科学の性格からすれば、一刻を争うものではないはずです。しかし、商業化の中で、研究機関も報道機関も先を急いでがんばる、というのが実態です。》マスコミ、マスプロという世相に流されていることを警告する。
《いわば「科学の作法」を弟子に伝えるのは先生の役割です。しかし、それが十分でなかったり、劣化コピーとして伝わったり、というのが実情です。》という。しかし大学には「コピミーウィルス」が蔓延している。「コピーミー」で先生は弟子を育てる。そのコピー元である先生の思想よりも志操が問題である。科学でなく、技術だけがコピーされた?従って、《実験ノートについても、その書き方のマニュアル本が出てきたのがこの10年くらいのことです。先生と弟子との間のコミュニケーションが足りなくなったことを示していると思います。》という。成果主義、効率主義で名を挙げようとする。
私見であるが、先生に〈システム思考の欠落〉を認めざるを得ない。人は、育てられたように他人を育てるのである。伝統の中に何か重要なものが欠落していたのであろう。
締めくくりとして、大隅氏が言う次の言葉は科学者のみならず、我々にとって重要である。
《分野によっては、研究結果や発見にこそ独創性があるので、他の文献や論文からの引用は、出典を明記すれば素材として活用していいという考えもあると聞きます。急速に広がったITを私たちはまだ使いこなせていない。便利だけれど、どう扱うべきなのか。》
我々は、生活が偽装されていくことに気づかない、いや気づけなくなろうとしている。
それを仕合わせと感じるように誘導されている。誰が気づくのであろうか?

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