ロバート・ゲラー氏の示唆に随い、「ご冗談でしょうファインマンさん」を読み、ファインマンの謂う科学者の良心なるもの、彼の誠実さに触れた。ファインマンは次のように語っている。
《われわれは長い歴史を通して、自分自身を欺かぬ心構え、つまり純粋な科学的良心を培ってきたというのに、私の知っている限りでは残念ながら特にこれを教える科目というものがない。ただ何となくこれを肌で感じ、心に滲み込ませることによって自分のものとしてくれることを、ひたすら念じているだけです。》
《ですから私が今日卒業生諸君へのはなむけとしたいことはただ一つ、今述べたような科学的良心を維持することができるようにということです。つまり研究所や大学内で研究費だの地位などを保ってゆくために心ならずもこの良心を捨てざるをえないような圧力を感じることなく、自由に生きてゆけるような幸運を、との一念に尽きます。願わくば諸君がそのような意味で、自由であれかしと心から祈るものです。》
「ご冗談でしょうファインマンさん」の読後感については後日述べたい。
ここでは、今回の「STAP細胞問題」で最初に私の頭に浮かんだ『平気でうそをつく人たち』という著書を取り上げる。その中で、著者は次のように言う。
この著はわれわれの科学信仰に対する警告の書であると思う。我々が民主主義なるものを知り、リーダーシップなるものを知った時、それを実現する責任は一人一人にあるということである。
今日の社会的混迷は、自業自得、我々自身が創り出しているものだということである。
0 件のコメント:
コメントを投稿